便秘とアンチエイジングについて

拙書「病気の9割を寄せつけない たった一つの習慣」にも記述しましたが、頑固な便秘は、血を汚します。老廃物を身体の中に長期間にわたって残してしまうからです。大便は、体内で未消化物や、腸内細菌の死骸、古くなって剥がれ落ちた腸壁の細胞が主な材料になります。

 

やがて便は異常発酵して腐敗してきます。こうした便は、インドール、スカトールの強い臭気を発生し、腸管壁を透過し、老廃物と一緒に血流に戻り、肺でガス交換をされて、呼気中に出てきます。一般に野菜の生ゴミ臭の様な、鼻に付くツンとした臭気が、口臭や体臭として出てきます。

この全身に浸透した老廃物は、内臓細胞や神経細胞を刺激するので、不定愁訴として頭痛や吐き気、胸やけ、めまいが、日常生活の中で出てきます。ただ、まだこの段階では、本当の病に至っていないので、内科を受診しても、過労、ストレス、自律神経失調症の様な病名がついて、処方箋が発行されるだけに留まります。

 

さらにこの老廃物は、皮膚を介して体外へも排出されるため、吹き出物や肌荒れ、シミやそばかす、ほうれい線、肌のたるみの原因にもなってきます。

 

この段階になると、頑固な便秘は、老化のスピードをドンドン加速させてしまいます。

 

そうです。「腸寿」は「長寿」なのですね。その為に、対処法として日頃から、発酵性食品を良く摂取して、野菜の量を多めに摂り、腹八分目を心がけるだけで、腸内環境は徐々に良くなってきます。もう一つ付け加えるならば、朝食を食べると、胃がそれを受け付けます。すると、腸にある弁の通り道の回盲弁が開いて、大便がしたくなる感覚がやってきます。これを「胃回盲弁反射」と言います。食べるだけで、大便がしたくなる仕組みが、ヒトには備わっているのですね。この事から、朝食はしっかりと食べて、例え便意が無くても、朝、便座に腰かけるだけで、不思議と便通が良くなってきます。「快腸生活」の為に、是非、お試しくださいませ。