ジョブチューンの放送が終わりました。

さる2月24日(土)、TBSのバラエティー番組「ジョブチューン」二時間スペシャルの出演を終えました。

私は、口臭治療の専門医として番組に登場しています。日常生活の中で、お手軽に口臭対策に役立つ情報について解説しています。

 

以下のサイトで、視聴可能です。00:50~27:00あたりに多く出演しています。

www.miomio.tv/watch/cc366513/

 

そもそも、環境衛生の分野も含めて、臭いを消す…方法には、以下に上げる、4つの原理しかありません。それは、「吸着」、「分解」、「中和」、「マスキング」のどれかを使って、不快な臭いを感じないものにしています。その他にも、焼却消臭や冷温消臭もありますが、基本的にはこの4原理から派生したものになります。

 

1.吸着

これは、冷蔵庫の消臭剤の「活性炭」や壁材の「珪藻土」を用いる消臭法で、多孔質のものに臭気が取り付き、外に逃がさないようにして、ニオイのレベルを下げます。ただ、口臭治療においては、炭をガリガリ咬む訳にはいかないので、口腔内においては、現実的ではありません。牛乳の一部は、乳脂肪成分が、臭気物質を吸着、コーティングする事で、腸内腐敗臭を抑えます。また、その脂肪分が、腸管壁をコーティングして吸着する事で、臭気を取り囲み、再吸収を抑えます。

 

2.分解

これは、ニオイの成分の分子構造を分解する事で、臭気を違う成分に変える事で、臭気を抑えます。工場から排出される煙や車の排気ガスは、有害物質を分解する為の触媒を作用させることで、ニオイを消臭します。また、チタン光触媒などは、臭気物質をCO2などに分解して、ニオイを感じないものにしています。

 

 

3.中和

これは、酸っぱい臭に対し、アルカリを反応させて、成分を中和する事で消臭します。石鹸などは、ややアルカリ性なので、手についた汚れや酸性臭気物質を中和します。逆に、下水やトイレ臭(し尿)はアンモニア臭を作り、塩基性(アルカリ性)に傾く事から、洗浄液のサンポール(酸性)などで中和して消臭します、また、腐りやすい生モノから発生する不快なアンモニア臭の発生を抑える目的で、お酢の酸を使う事で、食材の臭いを中和して、臭いを消す目的があります。

 

 

4.マスキング

こちらは、トイレの芳香剤や衣服についたタバコ臭を抑えるには、消臭スプレーなどを用いて、ニオイに、別の臭いをかぶせる事で、感覚的に臭いを感じないようにするやり方で、ニオイにマスキングをかけていきます。

 

 

 

今回は、番組の中で取り上げられた内容に関して、もう少し詳しく解説してみましょう。

 

一般的には、口臭には、真正口臭と食事性口臭に分けられます。実は、過去に出演したTBSの番組の「その差って何ですか?」の検証実験で、食事性の臭いには、「直後臭」と「翌日臭」の2回のピークがある事が確認されています。

● 直後臭…これは、食べた食材の臭いが口腔内残留し、食材そのものの臭気が出てくる口臭です。主に舌苔が沢山付着している方は、苔と食材の臭気が強固にくっ付き合い、長く臭気が残りがちです。菌は栄養素が入ってくると増殖傾向が助長するので、この状態を放置すると、やがて、ニオイに加えて、酸っぱい感じや苦い違和感を抱くようになるので、注意が必要です。

● 翌日臭…これは、食べた食材が腸に到達し、腸内発酵により腸内腐敗臭に変わり、インドール・スカトロール・硫化水素などの臭気成分が発生し、腸管壁を透過し、肺でガス交換されて、翌日に呼気や汗から、特有の臭気が出る現象です。

 

それぞれの対処法が番組で紹介されました。

 

【直後臭の対処法】

こちらは、唾液量分泌増加と舌苔清掃が効果的です。番組内でも紹介されましたが、

 

1.リンゴなどを摂取する。リンゴには、リンゴ酸が含まれており、ニンニクの中に含まれる「アリシン」を言う臭気成分を分解する働きがあります。加えて、リンゴの持つ爽やかな香りが重なり、上記の消臭原理の内、分解とマスキングの両面から臭気を抑えます。出来れば、ニオイの強い食材と共に、リンゴ半分程度、皮ごと食べると良いでしょう。

 

2.ベロベロ体操…舌を出して、自分の唇を舐め回すように、左12回、右12回、舌先を意識しながら、グルグル回転を与えます。舌下腺や顎下腺が刺激を受けて、唾液の分泌を促します。もし、人前で恥ずかしければ、お口の中で転がしても良いでしょう。その際、両方にある頬粘膜を、舌先で強く抑えるように動かすと、そこには、唾液の通り道の管が隠れているので、唾液を絞り出す効果もあるので、なお効果的です。

 

3.舌苔清掃…化粧用のコットンかティッシュペーパーを四つ折りにして、嘔吐反射が起きる手前から出良いので、奥から手前に10回程度、苔をかき取るように清掃します。特に、苔の性状が粘性を伴っていたり、苔の色自体が黄色→こげ茶色に変色しているようでしたら注意が必要です。

 

【翌日臭の対処法】

1.こちらは、腸からの再吸収を防ぐ事が効果的なので、牛乳がおススメです。牛乳は、乳脂肪分が臭気成分を取り囲み、身体の外へ促す作用があるのと同時に、腸管壁をコーティングして、再吸収を防ぐ作用もあります。

 

2.放送ではカットされていましたが、食物繊維を多く含む、ゴボウやサツマイモなどを同時に摂取すると、なお効果的です。上記の消臭原理の内、吸着に相当してきます。

 

3.その他、私からのおススメの食材として、プルーン、イチジク、ハトムギなども効果的です。これらは、日常生活で普通に買う事が出来る食材ですが、実は、立派な生薬でもあります。

 

●プルーン…ナツメの事で、生薬では「大棗」(たいそう)に相当します。消化活動を健常にして、便臭を抑えます。ドライフルーツでも良いので、一日3個ほど食べれば十分でしょう。時として、下痢をする時もあるので、食べる量の「さじ加減」も調整が必要です。

 

●イチジク…こちらは生薬では無果花(むかか)に相当します。ワイン専門店に行くと、こちらもドライフルーツとして売っています。少し甘みがあって、ワインのつまみとしてよく合います。薬効は清熱解毒・潤腸の効能があり、咽頭痛や声嗄れ、便秘、痔や腫れ物に用います。一回に、一粒食べれば充分です。私は自分の身体で実験したのですが、プルーンとイチジクを両方食べると、オナラ臭や便臭が、本当に少なくなります。

 

●ハトムギ…こちらは生薬では薏苡仁(よくいにん)に相当します。美肌、排膿、抗炎症、イボの除去などに効能があります。この事から、もしかしたら、腸管壁の粘膜のダメージや、ポリープの縮小作用なども期待できるのではないか?と、私は考えています。実際、去年、ハトムギをカリカリに炒った商材を、薬局さんから導入し、1か月間食べた所、私の下半身に出来ていた、かゆみを伴う湿疹は、すっかり完治してしまいました。

 

 

 

 

 

いずれも、おススメの食材なので、翌日臭、便臭、オナラが臭い方には、是非、お試しくださいませ。