ジョブチューン出演後、4つのメディアから取材要請が来ました。今月は、オープンにしても良い3つの記事について、それぞれご紹介しましょう。
一つ目は、週刊誌の女性自身です。女性誌なので、普段あまり読む機会はありませんが、喫茶店とか銀行の椅子等に置いてある事が多く、たまーに手に取ってみたことがあります。芸能人のゴシップネタや、少しエッチな記事も出ているので、男性の私は、長時間見るには少し勇気がいりますね。
記事の内容は、「がん・脳卒中・心筋梗塞 口で解る病気のサイン」として掲載されました。取材に来たライターさんも女性の方で、とってもハキハキした受け答えで、聡明な印象の方でした。舌診に関して2時間ほど取材を受けました。
取材を受ける内、ライターさんの舌を拝見する流れになったのですが、舌の横にギザギザがあり、全体的に紫がかった白い色をしていたので、自分体質の中の内、ドロドロ血タイプの「お血」を疑い、
「日常生活の中で、強くぶつけていないのに青あざが出やすくないですか?」
と言う指摘をして、見事、言い当てる事が出来ました。加えて、ギザギザお疲れ舌も見て取れたので、「気虚湿盛」体質も疑い、
「家に帰ると、すぐに横になりたがる方ですか?」
と言う部分も、ドンピシャ当てる事が出来ました。
もしかすると、年を重ねるごとに、婦人科系のお悩みと膝・腰に痛みが起きるかもしれないと言う予想をお伝えしておきました。
こうした取材を受けて、見開き2ページにわたって記事が掲載されました。
元々は、口臭専門クリニックのサイトの問い合わせフォームから、わたし宛にコンタクトを取ってきたのが始まりです。確か女性自身には3回目の登場になると思います。その中で、ライターさんからの質問で、男女比について聞かれたので、おおむね男:3割で、女性:7割くらいの割合である事をお伝えしました。実は、臭いに関しては、女性の方が悩みが深いのかもしれません。4月になって、進学、就職、引っ越しなどが多くなる今の季節には、タイムリーな企画だと思います。
さて、拙書「病気の9割を寄せ付けない たった一つの習慣」にも記述しましたが、アナタの「自分体質」は、舌の性状になって表れてきます。身体は、真っ先に健康注意情報のシグナルサインを自分に向けて発信しているのですね。でも、このメッセージは、メールのように「着信音」が鳴る事はないです。静かに、ひっそりと、しかしながら確実に身体の変調として現れてきます。
普段、あまり自分の舌を良く見る習慣はないでしょうが、朝の歯ブラシの時に、1日1回で良いので、「アカンベー習慣」を心がけるだけで、多くの健康情報を汲み取る事が出来るようになります。
今までも、本の内容に関して、色々補足説明を述べてきましたが、特に「舌下静脈」の見方に関しては、まだ、ご紹介した事がなかったので、今回は、女性自身の記事を補完する意味で、舌下静脈に関して詳述してみましょう。
【舌下静脈に潜む、健康サイン】
舌下静脈は、舌の裏をひっくり返した時に見える血管で、左右一対の静脈です。あまり知られてはいませんが、この舌下静脈は、人体の血管の中で、唯一、「直視」で見る事の出来る血管です。ただ、舌先を上に向けて、裏側を見るだけなので良いので、とても簡単です。
もちろん、手の甲や足のかかの周囲を見れば、表皮に流れる静脈を見る事は出来ますが、これはあくまでも、皮膚の上から観察しているので、得られる情報は限られてきます。
その点、舌下静脈は、血管の「色」「形」「走行状態」などを一目で把握する事が出来るので、とても有益なのです。
静脈血は、体循環で身体の隅々にまで行き渡ったあと、それぞれの組織中に生じた二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に戻り、ガス交換のために、最終的に肺に戻る血液です。動脈血と違い、酸素に乏しく二酸化炭素を多く含んでいるので、暗赤~暗黒色をしています。健康診断などで、血液を採取した時に、意外に血液の色が黒っぽいので、「オレの血は汚れているなぁ…」と思った方も多いのではないでしょうか?
それでは、東洋医学から見た、注意した方が良い舌下静脈の変調を検証してみましょう。
【色】
こちらに関しては、何と言っても「紫色」がキーワードです。この紫が、暗紫色になるにつれて、症状は心配な方へ傾きます。逆に、濃い赤色は健康な証拠です。色のイメージが難しければ、ご家族で見せ合って、色の比較をしてみても良いでしょう。
【形】
こちらに関しては、「怒張」がキーワードです。血液の粘張度が上がってくると滞りが生じます。そうなると、舌下静脈の血管の周囲が、ボコボコと節くれが盛り上がってきて、いきり立った様に観察されます。これを血管の怒張と言います。イメージとしては、ギャグ漫画などで、主人公が怒ったりイライラしている時に、おでこの脇に「+」のような血管の盛り上がりを書きますね。あんな感じです。
【血管の走行状態】
こちらは、左右の対称性を見ます。もし、舌の裏を見て、左右、どちらかだけに血流が確認され、反対側には血液が流れていないようですと、東洋医学的には、危険ゾーンに入り始めている事と解釈しています。拙書「病気の9割を寄せつけない たった一つの習慣」にも記述しましたが、私の古くからの患者さんで、ある時、ひどく疲れ顔で、目の下にクマも出来ていたので、念の為に、舌下静脈を観察したのですが、ハッキリと左右差がありました。
その方は、2週間後に、脳卒中で倒れてしまいましたが、幸い軽傷だったので早期に社会復帰が出来ました。
この3つの変化は、項目順に下に行くほど、重要度が高まりますので、日頃から「自分の正常な舌のイメージ」をよく観察しておいて、ちょっとした違いを見抜くように心がけておくと良いでしょう。