ゲーム障害とスマホ口臭

最近、ゲーム障害(Gaming disorder)と言う概念に、世界的な注目が集まっています。

事の発端は、国連の専門機関である世界保健機構(通称:WHO)が、国際疾病分類(ICD)の中に、新しく「ゲーム障害」を加える事を表明した事に起因します。

 

2018年、インターネットゲームやスマホのやり過ぎで、日常生活に障害を及ぼす症状について、WHOが、病気の世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に登録する方針である事が解りました。

このニュースを受けて、何が変わるのでしょう? そもそもゲーム障害って何なの?について、考察してみました。

 

私が提唱する、「スマホ型口臭」についても、関連するので取り上げない訳にはいきません。

 

まず、「ゲーム障害」とは、どの様な定義に基づくものなのでしょう?

 

ゲーム障害は、日常生活の中で、デジタルゲームやビデオゲームに依存し、長時間、没頭してしまう行動パターンが特徴です。 

WHOによると、以下の様なものが上げられています。 

 

① ゲームの回数や時間を自己管理できない

② ゲームをする事が、他の日常生活よりも優先してしまう

③ 社会生活や経済的状況に悪い影響が出ているにも拘わらず、止められずに熱中してしまう

 

以上の様な行動が、家族関係、仕事、学校生活、教育、などに重大な障害となる状態が、12カ月以上続くと、ゲーム障害と診断されます。

 

つまり、「ゲームをしたい!」という気持ちが自己管理できずに、長期間に渡って家族関係や仕事などに問題が起きている状態です。

私も、子供の時から、ファミコン世代で育ちました。ドラクエ、マリオなど、有名どころは一通りプレーしましたし、インベーダーゲームが置いてある喫茶店では、毎晩、学校帰りに何日も立ち寄り、同級生と遊び惚けていましたので、ゲーム障害の「3歩手前」位までは、踏み入った経験があります。 

 

しかしながら……

 

ゲーム障害の症状の中に、「口内環境の悪化による、歯周病や口臭の発生のリスク上昇」は、症状として盛り込まれていません。

今後、何らかの働きかけで、ゲーム障害に、口腔疾患もリストアップしてもらえるように働きかけをして行こうかな?と、考えています。

 

「国際疾病分類」(ICD)にゲーム障害が追加されると何が変わるのでしょうか?

厚生労働省のHPには、要約すると以下のように解説されています。 

※ICDとは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録や分析と解釈、それらを比較する為、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。 

 

世界には多くの国々が存在しています。その中で、病気の名前が異なり、その分類が違っていたらどうなるでしょう? 

 

例えば、A国で「歯周病」と言われている疾患が、B国では「歯のグラグラ症候群」と定義されていたらどうでしょうか?恐らく、微妙に診断基準も異なって来るのではないでしょうか?

こうなると、AとB国の両国間で、症例の比較検討が出来なくなります。さらに、科学者が全世界的に協力して、各研究機関で病気の治療法を研究しようとした時に、共通の認識で評価できにくくなるので、研究の滞りも生じてきそうです。 

 

どこかで、誰かが、定義づけをして、病気の評価を円滑に進むための「線引き」をしなければなりません。

こうした背景を受けて、WHOは、世界中の国が共通して使える病気の分類基準(ICD)を作って、定期的に改訂を繰り返しています。 

ICDに「ゲーム障害」が加えられると、その診断基準に則って、現在、日本にゲーム障害を抱えている人は、どの位の人数がいるか?年齢別、性別、障害の程度などのデータを得る事が出来ます。こうして、障害の実態が明らかになって、初めて、対策や治療法が、飛躍的に進歩する事が期待できます。 

 

そして、iPhoneを販売するアップルは、いち早く対応に乗り出しました。今年、追加される新しいOSのバージョンから、「screen time」と言う設定を設け、長時間スマホをした時に、それぞれのアプリ管理で、何らかの制限や警告をする機能を持たせていくようです。

 

https://nabi1080.net/ios/ios12/66023/

 

なにせ、ハンバーガーチェーン店のドライブスルーで、受け取りの時にコーヒーのフタが緩み、火傷をした事で、何十億の訴訟を抱えるお国柄です。

 

もしかすると、「スマホのやり過ぎで、ゲーム障害になったではないか!どうしてくれる…」

 

と言う訴訟を起こす人だって、この先、出てくるかもしれません。OSやアプリに、こうした対策を講じていないのは、訴訟の時のマイナス材料になるので、事前に手を打ったものと言えます。Android系のメーカーも追従するようなので、その動向には、これからも、注意が必要でしょう。

 

でも、私は、ゲームに没頭する事は、完全否定していません。子供がスマホゲームをやっていても、取り上げたりはしません。

 

何故でしょうか?

 

私の場合は、小・中・高・大学と、ずっと家庭用ゲーム機のゲームパッドを持って、「ピコピコ体験」をしてきました。

その原体験が有るからこそ、その延長線上に存在する、

1. ネット社会にも、何とか適応できましたし、

2. インターネットビジネスにも参入する事が出来ましたし、

3. スマホとパソコンを連携した、ハックライフなどの生活も大好きです。

 

全て、子供の時からの楽しかったゲーム体験が、今の私のビジネスに反映されていると思います。ロールプレイングゲームで、夜通しピコピコ、経験値を溜めてレベルアップをして、ボスキャラを倒して、最後に達成感を味わう…この成功体験が有るからこそ、IT時代に何とか適応する事が出来たのだと心底思います。

 

実は、私と同じ還暦世代で、親のしつけなどで、子供の時にゲーム機を取り上げられた人の中には、現在になって「全く、パソコンが使えません…」と言う方が、意外と多いのも事実です。

 

この先、運よく孫と巡り合う事が出来た時に、スマホの使い方で、バカにされないお爺ちゃんでいたいものです。