半年前から計画を立てて、車中泊をしながら、電気自動車に乗って無料充電スポット巡りをして、全国を渡り歩く、「フーテンのジョー」計画が、思わぬ形で、寸断されてしまいました。
https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20190331-3/
ナント、TBSの「名医のTHE太鼓判!」と言う番組から取材要請が入り、
4月29日(月)の医院での収録と、
5月4日(金)のスタジオ収録の、二日間、拘束されてしまいました。
痛い…これは…イタイ! せっかくの予定が、連休の中日に2回分、寸断されてしまいました。
石川県、能登半島に位置する、宇宙科学博物館『コスモアイル羽昨』に絶対行こうと心に決めていたのですが、予定の変更を余儀なくされそうです。
日本海側には、あまり旅行した事が無かったので、楽しみにしていたのですが、さて、どうした物でしょう?
ただ、せっかくのお話なので、快く引き受けました。
番組のテーマは、以前のブログでご紹介した、口腔内で起きる、口内炎と舌癌のリスクに関して解説する事になりそうです。
担当ディレクターさんが、以前、アップしておいた『80年代のアイドル歌手が、舌癌になってしまいました。』のブログを見て下さり、私に白羽の矢が当たりました。
私が運営しているブログなんか、誰が見ているんだろうね?と、いつも思いながら運営していますが、チャンと、情報を必要としている方には届いていたのですね。とっても、有り難いです。
https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20190225-5/
担当ディレクターさんからは、「口内炎と舌癌が、簡単に区別できるフローチャート」を作ってもらいたい…と言う要請が入りました。しかも、出来れば2日以内に…と言う希望でした。
以前、メディアとの付き合い方でも論じましたが、提出期限を必ず守る…と言う取り決めに従い、何とか作りましたよ…フローチャートを、それが、下図です。
ここで、重要なのは、「2週間治らない口内炎」と「大きさが2cm以上の口内炎」
この二つの知見が、癌の早期発見の鑑別点になります。
この「2・2の法則」だけ覚えておけば、口腔癌に関しては、予防が効きそうです。
所で、あまり知られていませんが、口腔内の病変には、「前癌病変」と「前癌状態」と言う二つの要注意点が存在しています。
●前癌病変とは…それ自体は癌ではないが、放置すると一定の確率で癌化する可能性がある病変です。
例えば、子宮頚部の異形成、皮膚の日光角化症、潰瘍性大腸炎、バレット食道、肝硬変などが知られています。WHO は正常組織より、癌を発生しやすい形態学的に変化した組織と定義しています。そのまま放置すると、やがて、癌化する状態と考えられています、
口腔内においては、「白板症」「紅板症」などが知られています
●前癌状態とは…「癌化リスクの上昇に関係する状態」と定義されています。該当する疾患は、鉄欠乏性嚥下困難、扁平苔癬、口腔粘膜下線維症、梅毒などが挙げられます。
「前癌病変」と「前癌状態」の区別は、前者が口腔がんの発症部位と同じ場所に先行して存在するのに対して、後者は口腔がんの発症部位と異なる部位に見られることの多い病変とされています。
単純に癌化率の違いや、口腔局所疾患か全身疾患かで区別されている訳ではありません。
口腔前癌病変は、口腔がんに直接移行することが証明されている疾患、
一方、
口腔前癌状態は、発癌しやすい環境を作っているが、口腔癌への直接移行が十分に証明されていない疾患、と理解するとよいと思いと思います。
いずれにしても、他の消化器の癌と比べて、口腔内の癌は、セルフチェックで見つけやすい部位です。
普段と違う、口内炎、痛み、角化病変などが出ているようでしたら、口腔外科の専門医を受診すると良いでしょう
また、その他の因子として、
● 同じ部位が、いつも口内炎を繰り返す
● 口内炎が灼熱感を抱えている、ろれつが回らない、潰瘍性の痛みがある
● 不適合な歯冠修復物、義歯を装着している
● 唇や頬粘膜を咬む癖がある
● 家族歴に舌癌の既往がある
● むくみ体質、ドロドロ血体質
こうした項目が該当する程、さらに、癌化のリスクを高めてしまうので注意が必要です