楽天のポイントが溜まったので、かねてから気になっていた、あご破壊うどんの異名を持つ「吉田のうどん」を買ってみました。
何を隠そう、私は、ラーメン・蕎麦・パスタ・うどんなど、全ての麺料理は、硬麺が好みです。外食で注文する時は、必ず「硬麺でお願いします」とお願いします。
そんな私が、先日、FM放送で、「吉田のうどん」と言うものがある事を知り、早速注文してみました。富士山のふもとで手打ちした生麺が届き、持ってみるとずしりと重いので、歯ごたえがありそうです。
「吉田のうどん」は、讃岐うどんと同じように、これから町おこしの一環として、ブランド化していくプロモーションをして行くみたいです。
箱を開けると、蕎麦とうどんが同梱されていました。
早速、お昼ご飯に自分で茹でて、つけ麺で試食してみました。
茹であがった麺をご覧下さい。麺の四隅が鋭利に切り立っていますね。これは、相当コシがある証拠です。うどんは、こうでなくてはいけません。説明書には、20分茹でると書いてありましたが、勇気を出して茹で時間を「8分」にして、あご破壊うどんを賞味してみました。
「ウッ、硬い・本当に固い…でも、素晴らしく美味しい!」
久しぶりに、家庭で納得のいく麺と出会いました。
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所で、歯科医師の立場から考えると、硬い食材を食べる事は、シッカリした顎を作る為には、是非とも取り入れてもらい食習慣なのです。
【骨が有するピエゾ効果】
実は、骨に圧力をかけて、骨を湾曲させると、面白い現象が起きます。
特に、応力の集中を受けて、曲がった側にはマイナスの電気に帯電し、逆に伸展を受けた方の骨面はプラスの電気を帯びます。
これを、ピエゾ効果(圧電気現象)と言います。
そして、体内に存在するカルシウムは、Ca2+という2価のプラスイオンとして存在しているので、圧迫を受けてマイナスに傾いた電位の所に集まって吸着して、骨の安定した成長に貢献しています。
この働きにより、骨は、真っすぐに生育する事が出来るのです。少し圧迫を受けて曲がろうとすれば、カルシムイオンが取り付いて、その部分の成長を促して、真っすぐになろうとします。この繰り返しにより、骨はシャンとして立っていられるのです。
実は、この現象は、骨だけに有している訳ではありません。自然界おいては、「竹」にもピエゾ効果は認められています。竹も風などで揺れるとマイナスの電気を有し、そこの部分に成長に必要な栄養分が集まる事で、竹は真っすぐに伸びる事が出来るのです。
大腿骨と竹の写真を見て下さい。どちらも「内側に緩く湾曲しています」これは、常に曲がった応力を受けると、常にマイナス側に帯電しやすいように、最初から合目的に内側に「反りを入れている」のです。
良く見ると、大腿骨も竹も、殆ど同じ形を有していますね。
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所で、私の専門分野である歯科領域でも、このピエゾ効果は確認する事が出来ます。
患者さんの下顎の模型を見て下さい。骨の内側に、「骨のこぶ」が複数確認できますね。これは、「下顎隆起」と言う骨の隆起です。
下顎の骨は頭蓋骨と関節の構造を有しています。死んで骸骨になれば、頭の骨と下顎は離ればなれになって、ゴロンと落ちてしまいます。
そして、下顎骨は、その形状が馬蹄形(U字型)になって湾曲しています。
と言う事は、咀嚼のたびに、骨がたわんでカーブに従って湾曲すると、ピエゾ効果によって、骨の内側にマイナスの電気が帯電する事になります。そこにプラスイオンのカルシウムが集まって添加すると、化骨が進行する事になります。
これが、下顎隆起です。
子供の頃から、歯応えのある食材をシッカリ咀嚼して食べる習慣があると、骨もより頑丈に成長して行きます。
ひいては、歯並びの良いお子さんに成長する事で、その先、何十年と続く生命活動を健常に送る事が出来るようになります。
日頃、患者さんのお口の中を拝見していると、骨の形を見ただけで、おおよそ、その方の食事の好みが解ります。下顎隆起が、ボコボコ大きなものが付与されていれば、ほぼ間違いなく硬い飲食物が好みのはずです。
問診の中で、「硬い食材を、ガリガリ咬むのが好きですか?」と問い掛けをすると、
「どうして、先生、そんな事が解るの?」と受け答えする事が多いです。
子供の時から、硬い食材を摂取すると言う事には、こうしたメリットがあるのです。