知人のお嬢さんのブランディングを考える

 

年を重ねて行くと、自分の取り巻く社会の方々は、徐々に年下の方が多くなっていきます。最近は、勉強会やセミナーに参加してみても、還暦を迎えた私が、最年長になってしまいました。

 

IMAの会で知り合い、先日、小原田夫妻が運営する「いるかの学校」のセッションに参加した事がご縁で、私の娘と殆ど年齢が変わらないお嬢さんのブランディングをどうしたら良いか?について、アドバイスをする機会がありました。

https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20191031-5/

 

Kちゃんは、今年からキッチンカーを立ち上げ、東京周辺のイベントに出店し、美味しい料理を振る舞うビジネスを立ち上げました。

 

私も夏に赤羽で行ったフェスにカミさんと参加して、タコライスを頂戴しました。

 

おじさんは、少し緊張気味です。お店の前は、常に賑わいが感じられ、事前に用意した料理は、終了時間前に完売になってしまったそうです。

 

私もタコライスを頂き完食しました。とても美味しかったです。

 

パッケージもエコを意識して、燃える素材で提供されました。一つ一つに、手書きのメッセージが書いてあり、Kちゃんのお人柄が伺えます。

 

さて、季節も夏から秋に変わり、ようやく本人と打ち合わせの機会を得る事が出来ました。

 

今回の場合、ブランディングを考えるにあたり、「人」と「もの」が関わってきます。ものである料理の部分は、私は専門外なので、むしろ、人の部分で何か役に立てる事は無いか?と、知恵を絞りました。

 

一番簡単なブランディングは、キッチンカーに加えて、もう一つ別のこだわりの専門分野を考えて、それをミックスすれば、他とは違う差別化を出す事は可能です。

 

キッチンカーを「A地点」とするならば、

もう一つ違う分野の「B地点」を設定するのです。

 

このA地点とB地点は、離れていれば離れているほど、ブランドイメージは高くなります。

 

この辺の話は、以前のブログで:グッド・バイブスをやってみた…ご機嫌な仕事を→「超ご機嫌な仕事」にする方法で解説してあります。

https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20190225-4/

 

Kちゃんと色々雑談をする中で、将来の展望を伺う機会がありました。

 

その中で、

● 仕事は、ずっと続けていきたい

● 家庭も持ちたい

● 介護を必要とする方や、障がい者と一緒に歩んでいきたい

 

などを聞き取りました。本当に成人したばかりのお嬢さんですが、シッカリしたお考えをお持ちです。

 

もしかしたら、

★キッチンカーをA地点

★要介護者や障がい者をB地点と仮定した場合、

 

これはもしかしたら、新しい取り組みになるのではないか?と考え、

「キッチンカー」「障がい者」のキーワードで、同じような取り組みをしている人がいないか、検索してみました。

 

すると、

 

●障がい者や高齢者がありのままで働ける【移動販売車】が欲しい!

と言うタイトルで、クラウドファンディングが出ていました。プロジェクトが確定する目標金額は500万円です。今回は、多くの支援者から63万円程お金が集まりましたが、目標金額に達する事は無かったので、プロジェクトは終了になってしまいました。

 

でも、この提案に賛同が得られ、60万円以上の金額が集まったのです。

 

もしかしたら、隠れた市場があるのかもしれません。

 

その他、

●キッチンカーで就労支援 柴田の社会福祉法人導入 障害者の収入増図る

https://bit.ly/2L5usqI

 

●接客任せ障害者にやりがい カフェやキッチンカー

https://tampoppo.jimdo.com/2013/06/18/接客任せ障害者にやりがい-カフェやキッチンカー-東京/

 

など、健常者と障がい者が、共に社会で共存して行く試みも散見されます。

 

 

私は、カミさんのお母様(義母)が、老人ホームに入居していた数年間、まだ小さかった子供を連れて、1~2ヵ月に1回のペースで、ホームに遊びに行きました。まだ、杖を突けば歩ける状態だったので、ホームの方に外出許可を経て、近隣のレストランに繰り出し、家族で夕飯をとって、お互いの近況報告をしていました。

 

その時に、今でも覚えている光景がありました。

 

それは、老人ホームには、みんなが集まる歓談室があります。家族で出発するほんの少しの間、そこで準備をするのですが、毎回、私達家族に話しかけてくる隣部屋の女性がいました。

 

私達が出かけようとすると、

「いいわねぇ…私も連れてって…」と懇願するのです。

 

決して認知症を患っている訳ではなく、お見受けした感じでは、現役だった頃は、シャキシャキしたハッキリした感じの方です。その方が、何回も自分も行きたいと言い寄ってくるのです。

私達が困っていると、ホームの担当者が来てくれて、本人を説得して遠くに離してくれます。

 

この方は、普段、誰もお見舞いに来ないのですか?と、職員に尋ねると、家族はいるみたいですが、ここ数年、1回も顔を出した事は無いですね。と言う話でした。

 

人が、人として、深い喜びを得る行いは、親しい仲間と街の雑踏に繰り出して、楽しく「ショッピング」と「飲食」をする事ではないでしょうか?

 

お金を払って対価の物を手に入れて、着飾ったり、時には、美味しい物にかぶりつく。こうした、若い時は当たり前だった「日常」を求めている方が、老人ホームの中には確かにいるのです。

 

女性であれば、なおさら、その思いは強いはずです。

 

この事から、もしかしたら、キッチンカーが老人ホームの駐車場に出張し、入居者に車椅子などで玄関まで来てもらい、お金を払って軽食を購入し、楽しい談笑をする事で、社会との接点を思い出す…と言う取り組みには、一定の市場が隠れているかもしれません。

 

A地点が、キッチンカーで、

B地点が、老人ホームになる訳です。

 

ホームから支給される食事ではなくて、自分でメニューを見て、食べたいと思うものを選び、お金を払って注文し、目的の飲食物を手に入れる…と言う行為に、実は思いもよらない「付加価値」が存在しているのです。

 

今回、Kちゃんには、色々な提案をしてみました。そして、彼女が考えるB地点が見つかったら、是非、相談してね…と案内して散会しました。