倉園 佳三さん、佐々木正悟さんが主宰する6か月コースのセミナーです。今回が第4回です。
(向かって、右が倉園さん、左が佐々木さんです)
今回のテーマは、著者として、文章を作成するにあたり、漢字表記か?ひらがな表記か?著者として一定のルールがあります。そうした方が、文章の体裁が良く、漢字とひらがなのバランスが良くなるので、読者が疲れにくいのです。
下記の表に、そのルールをまとめておきます。
一例として、
読んで頂ければありがたい…〇
読んで頂ければ有り難い…×
と言う書き方になります。こうした事を知っているだけで、編集者は「この著者さん、解っているねぇ」と伝わるはずです。日頃から注意しておきたい所ですね。
統一 | NG | 備考・例外 | |
あ行 | |||
あいだ | 間 | ||
挙げる | あげる | 「例を挙げる」とする | |
あたりまえ | 当たり前 | ||
あと | 後 | ||
ありがたい | 有り難い | ||
いう | 言う | 「そういう」「ということ」。言葉を発する意味の「いう」は漢字で | |
いく | 行く | 動作として(移動する)の「いく」は漢字で | |
いちばん | 一番 | 「○○がいちばん」とする | |
一切 | いっさい | ||
いま | 今 | ||
いろいろ | 色々 | ||
~うえ | ~上 | 「○○したうえで」とする。「上下の上」は漢字で | |
うしろ | 後ろ | ||
うち | 内 | ||
うまく | 上手く | ||
おとな | 大人 | ||
おもしろい | 面白い | ||
か行 | |||
掲げる | かかげる | ||
かかわらず | 関わらず | ||
書きとめる | 書き留める | ||
かぎり | 限り | 「私が知るかぎり~」とする | |
かたづけ | 片付け | ||
かならず | 必ず | ||
かまわない | 構わない | ||
がんばる | 頑張る | ||
気づく | 気付く | ||
くらべる | 比べる | ||
くる | 来る | 「走ってくる」「落ちてくる」「降りてくる」とする | |
こと | 事 | ||
子ども | 子供 | ||
ころ | 頃 | ||
さ行 | |||
さまざま | 様々 | ||
したがって | 従って | 「○○にしたがって」とする | |
すでに | 既に | ||
すべて | 全て | ||
スマートフォン | スマートホン | 略す時は「スマホ」 | |
すむ | 済む | ||
せっかく | 折角 | ||
ぜひ | 是非 | ||
そろえる | 揃える | ||
た行 | |||
だいたい | 大体 | ||
たいてい | 大抵 | ||
たいへん | 大変 | ||
たしかに | 確かに | ||
たばねる | 束ねる | ||
たび | 度 | 「○○するたびに」とする | |
ため | 為 | ||
足りません | たりません | もの足りません | |
たとえば | 例えば | 接続詞は基本開く | |
だれ | 誰 | 「だれにも」とする | |
つく | 付く | 「気付く」も「きづく」、「付き合う」も「つき合う」とする | |
つく | 着く | ||
つながる | 繋がる | ||
できる | 出来る | ||
通す | とおす | ~を通して | |
とき | 時 | 「○○するときは」とする | |
とくに | 特に | ||
ところ | 所 | ||
どこ | 何処 | ||
とめる | 留める | 「書き留める」は「書きとめる」とする | |
ともに | 共に | ||
〜とる | 〜取る | 「受け取る」「感じ取る」は「受けとる」「感じとる」とする | |
な行 | |||
なかでも | 中でも | 文頭にくるときはひらく | |
なぜ | 何故 | ||
何 | なに | 「何らか」などの「何」は、ほぼすべて漢字で | |
のち | 後 | ||
のべ | 延べ | ||
は行 | |||
パーセント | % | ||
初めて | はじめて | ||
ふう | 風 | 「どんなふうに」とする | |
ふだん | 普段 | ||
ほう | 方 | 「○○したほうがいい」とする | |
ほか | 他 | 「ほかにも」「○○のほか、」とする | |
ほとんど | 殆ど | ||
ほど | 程 | ||
ま行 | |||
まったく | 全く | ||
身のまわり | 身の回り | 「身の周り」も「身のまわり」とする | |
診る | みる | ||
結びつく | 結び付く | ||
メートル | m | ||
もちろん | 勿論 | ||
もつ | 持つ | 「手に持つ」の意味の場合のみ漢字で。それ以外の手に持たないものはすべてひらきます | |
もっとも | 最も | ||
もと | 素 | 「○○のもと」とする | |
もと | 元 | 「相手のもとに、○○が届く」とする | |
無駄 | むだ、ムダ | ||
元 | もと | 元データ、元に戻す | |
や行 | |||
やめる | 辞める | 会社員であることを「やめる」 or 会社を「辞める」 | |
やりとり | やり取り | ||
様子 | ようす | ||
ように | 様に | ||
わ行 | |||
わかる | 分かる/解る | ||
わく | 湧く |
漢字にした方が良い表現と、ひらがな方がスッキリするものがあります。この使い分けには、一定のルールはありません。長い間に経験則から辿り付いた、日本語の自然に見える収まりやすさです。
自分が書いた文章を、ワードの「置換機能」を使って、一斉に置き換えて行くと、何となくカッコ良く仕上がっていきます。読み直してみると、なるほど、プロっぽく見えるから不思議です。