名古屋旅行をしてウナギを賞味する。薬膳から見たウナギ

 

1月某日、カミさんが大ファンの、「沢田研二さん」の新年コンサートが、名古屋で催すので、髪結いの亭主として、私も一緒に一泊旅行で行動を共にしました。

名古屋と言えば、うなぎ料理です。

人気店で予約を取り、「ひつまぶし」を頂きました。このウナギ…実は、

 

 

わが国では、縄文時代の遺跡から、うなぎの骨が出土しています。古典の万葉集にも「夏痩せには、うなぎを食す」という、歌も残っています。

ヨーロッパで見ると、茶わん蒸しの様なイギリス料理、赤ワイン煮込みのフランス料理、燻製のデンマーク料理、香草煮込みのベルギー料理など、どれも、ウナギの臭みを取るような工夫がなされています。

 

日本では、蒸して焼いて、独特のタレをつける事で、美味しく頂けるように、食文化が発展していきました。ただ、庶民がウナギを食べるようになったのは、江戸時代からのようです。

 

エレキテルを研究した平賀源内が、「土用の丑の日」にウナギを食べるというキャッチコピーを考案したとの諸説もあります。研究熱心な源内は、夏負けした体に、ウナギの栄養素が体に良い特性を熟知していたのかもしれません。そこで、東洋医学的な食養生を考察してみましょう。

 

【1】気・血を養う、うなぎ

東洋医学は、人体の構成要素である「気」「血」「水」のバランスを重んじます。特に、うなぎには、「気」と「血」を補う食性があると考えています。

酷暑の夏場は、食欲が落ち、冷たい食事が増える事から、胃腸に負担をかけ、身体の中がジャブジャブしてきます。すると気の損耗が増し、元気の補充が間に合いません。最終的には食事から生み出される「血」も足りなくなり、「気血両虚」と言う体質に傾きます。

 

この状態が、「夏負け」「夏バテ」に相当します。

漢方では、「清暑益気湯」(せいしょえっきとう)と言う、夏バテ用の漢方薬も用意されています。ウナギと併用すると、なお効果的です。

 

その他、五臓の中で「腎」の働きも補うので、成長発育、老化、関節、耳、水分代謝に関係する身体の働きも好転していきます。具体的には、疲労回復、老化防止、眼精疲労、視力改善、耳鳴り、難聴、めまい、膝・足・腰を健常に保ち、関節痛の改善、むくみの改善に効果が見込めます。

 

同様に、西洋医学にみても、栄養価が優れた食材です。高タンパク質で、目に良いビタミンA、抗アレルギー、コレステロールを引き下げ、がん・動脈硬化を予防する、DHA、EPAを豊富に含みます。また、抗酸化物質のビタミンEも含まれ、がん予防、アンチエイジング、美肌効果、妊活にも効果が見込めます。

加えて、骨を健常に保つ、カルシウムも多く含まれています。

 

ただ、脂質も多い所が難点ですが、そこは脂肪の酸化を抑制して、消化を促す「山椒」を加える事で、高脂肪になる事を防いでいます。

 

ウナギは、東洋・西洋医学の両面で見ても、同じような効能を指摘しています。