カミさんの誕生日プレゼントで、こんなものを買わされる

 

カミさんは、3月生まれで、私は4月生まれで、同じ年に出生を受けました。ただ、ホンの20日の違いで、カミさんは、1学年上級生です。この事が、夫婦のパワーバランスに微妙に影響して、常に、上級生面をしてマウントを取ってきます。所帯を持って30年になろうとしています。

 

もうすぐ3月の誕生日なので、カミさんからは、

「誕生日のプレゼントには、これ買って」

と言う要望が寄せられました。

 

コラヴァンと言う商品です。

https://www.coravin.jp/ja

 

 

画像を見せられても、コレが何をするものなのか?さっぱり見当もつきませんでした。

この商品、ワインを、コルクの栓を開けずに注ぐ事が出来て、なおかつ、「長く品質を保つ」商品のようです。

完全ゴケの私には、どうでも良い事ですが、のん兵衛のカミさんには、喉から手が出るくらいの商材なのです。カミさんは、ナパバレー産の、「オーパスワン」と言うワインを、大事に所有しています。

 

なんでも、1本、数万円するらしいです。

 

でも、一旦コルクの栓を開けてしまったら、どんどん酸化が進みます。

娘や息子も、お酒をたしなむ程度です。一度、封を開けたワインは、自分一人で出来るだけ早く飲み切らないと、もったいない訳です。

 

このコラヴァンは、コルクに針を刺入します。そこから、ドボドボとワインを注いで出します。その後、「アルゴンガス」を瓶の中に注入する事で、ワイン表面に空気が触れないようにして、ワインの酸化を防ぐのです。アルゴンガスは、比重が重いので、ワインボトルの中全部に注入する必要はありません。ワインの液面に触れる程度で充分です。

 

この商材と使えば、コルクを開けずに、数か月は、味を保つらしいのです。

 

つまり、自分のお好みで、

「今日はこのワインを一杯だけ飲んで」

「明日は、少し高めのコッチのワインを飲もう」と言う、のん兵衛には、夢の様な生活がもたらされるのです。

 

もし、劣化が確認されれば、速攻で、料理酒行きです。

 

実は、このアルゴンガス、物性として面白い特性があります。

アルゴンとはギリシア語で「怠け者」を意味しています。私と同じ、「ボッチ」な所があります。その為に、高温、高圧の環境下でも「他の元素と化合しない」と言う、化学的に極めて不活性な性質を有しています。

しかも、人体にとって無色・無味・無臭のガスです。

そして、実は大気中にも存在し、空気中には、窒素・酸素に続く、3番目に多いガスです、約0.93%含有しています。

また、工業的の分野では、空気を冷却することで、酸素、窒素と分離・抽出が可能となり、精製されて製造しています。

例えば、他の元素と全く化合しないので、酸化アルゴンやアルゴン塩などは存在しません。この為に、窒素よりも安定した特性を有しています。

この事から、溶接、半導体、鉄鋼などで金属精錬用などに大量に使用されています。金属は溶かす時に、酸素が含有していると、「酸化膜」を作るので、アルゴンガスで吹きつける方が、金属に酸化膜を作りにくいのです。

その他、半導体の基板となるシリコン単結晶製造の洗浄にも使われます。

また、空気より熱伝導率が低いため、複層ガラスサッシの中間層にアルゴンガスを注入し、結露防止などの付加価値を持った窓ガラスもあります。

そのほかの用途としては、水銀灯、蛍光灯、電球の封入ガスにも応用されています。

そして、2018年、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会添加物部会は、他の元素と反応しにくい希ガスの元素「アルゴン」について、食品衛生法に基づく食品添加物への指定を認める報告書を提出しました。

 

この事により、諸外国では、とっくに流通していたコラヴァンの商品が、堂々と、日本でも販売できるようになったのです。

 

この商材の活用によって、カミさんの機嫌が、少しでもニコニコになってくれれば、プレゼントをした亭主としては、一安心と言ったところです。