今年の夏は、家の中を断捨離

 

東洋医学では、患者さんの虚実、寒熱、陰陽の状態を、四診により見定め、体質(証)を考えていきます。何かが増えすぎている場合は「瀉」(しゃ)、何かが足りない時は「補」(ほ)の性質を持つ生薬の選定や、ツボの配穴が決められていきます。

 

一例をあげれば、頑固な便秘に対して、下剤を処方する時は、「瀉下剤」を用い、乾燥体質に、潤いを与える処方をする時は、「補陰剤」(または滋陰剤)を用いて、津液を確保していきます。

 

ここは難しく考えずに、例えば、デトックス効果のあるサプリメントや、サウナで老廃物を出す行為は、「瀉」に相当し、栄養ドリンクを摂取したり、映画を見て心身をリフレッシュしたりする行為は、「補」に相当します。

 

自慢ではないですが、私は「片付け」が、超苦手です。

物にも気が宿っている…と考える所があり、せっかく頂いたものを、安易に捨てたりすると、物に宿る気が癇癪を起し、持ち主を攻撃するかもしれない…との考えに基づいています。

 

実際に、スティーブジョブズの部屋も、相当散らかっていたそうです 

 

 

そんな中、現在の住居に移り住んで20年、突然カミさんが、

「今年の夏は、家に転がるゴミを、全部処分して、スッキリさせる!」と宣言し、

「〇日に2tトラックを呼んだから、要る物と、いらない物を分別して頂戴」と、通達をされてしまいました。

 

もう、日にちを決定されてしまったので、引き返す事は出来ません。

ウチのカミさんは、時々「暴挙」を起こすので、面食らってしまいます。

 

 

そんな訳で、「断捨離」決行です。

これは、文字通り「断瀉離」でもある訳で、20年の間に積もり積もった思い出の品も、綺麗サッパリと、おさらばです。

 

断捨離の前日から、殆ど徹夜で、片付けに入りました。

過去の品々を見てみると、思いで深い物は、自然に手が止まり、ずっと見てしまいます。作業がドンドン遅れますが、

 

思い出の品と、「気を交わす」ことで、最後のお別れが出来ました。

 

それにしても、家の中のゴミで不思議な所は、

「ある一定の所で増殖が止まり、そこで飽和状態になり、それ以上は増えない」と言う点です。

 

何故か分かりませんが、天井までゴミで一杯になる事は無いのです。

恐らく、物に宿る気の受容できるキャパシティにも限界があるようです。

 

ダイエットは「瀉」です。リバウンドが「補」に相当するかは微妙ですが、家の中のゴミも、一回スッキリさせても、再びジワジワと元に戻って、結局は、元に戻るのではないか?と、私はにらんでいます。

 

いままで、我が家にいてくれて有難うね。ゴミとしてお別れしましたが、気のバランスだけは整えて、養生したいと考えています。