養命酒から口臭のWEB記事取材を受ける

 

私の子供の頃から知っていた、老舗のメーカー「養命酒」から取材を受けました。事前に養命酒のホームページで予習をしておきます。

https://www.yomeishu.co.jp/index.html

すると、社名も、そのものズバリ「養命酒製造株式会社」です。

全くブレがありません。

 

商品ラインナップも見たのですが、何となく「養命酒ゼリー」とか「携帯用・顆粒状養命酒」などの商品展開をイメージしていましたが、養命酒は、養命酒だけです。

 

一点突破で、潔いです。

ブランディングは、こうでなくてはいけません。

 

今回は、コロナの影響で、テレワークを通じた取材です。マーケティング部・広報部の方と、自己紹介無しの正体不明の上司風の人物3人と私で、取材が始まります。3人の目線を、ヒシヒシと感じながら、矢継ぎ早に質問が来るので、まるで国会の証人喚問のようで緊張します。

 

正体不明の上司風の方は、質問には参加しません。

私の問答に対し、ただ、ニコニコとうなずくだけです。腹の内が全く分かりません。

 

取材の最初に「何故、私に白羽の矢が当たったのですか?」と問い合わせたら、

「歯科・漢方・口臭」などのキーワードで検索したら、ドンピシャの方がヒットし、それが、私だったようです。

 

養命酒の構成生薬は、以下の通りです。

 

●烏樟(ウショウ)

 

クロモジの木や皮。枝をもぎると、良い香りを出します。つま楊枝も用いられます。

 

●紅花(コウカ)

 

ベニバナの花。キレイな赤い色を呈し、染料や精油としても用います。血行を良くしますが、妊娠初期には、禁忌と言っても良い生薬です。

 

●益母草(ヤクモソウ)

 

メハジキの地上部。その名の通り「母に有益な薬草」をイメージさせます。古来より、婦人薬として重用されています。

 

●鬱金(ウコン)

 

ウコンの根茎。鮮黄色で、食用スパイスのターメリックに相当します。特にカレー粉に含まれています。胃腸と肝臓を保護し、二日酔いに用いられています。

 

●地黄(ジオウ)

 

アカヤジオウの根。名前に「黄色」の作生薬は、陰陽五行の五色の色の配当が、脾胃なので、黄柏・黄芩など、殆どが、消化活動に効能があり、身体に元気を付けます。

 

●人参(ニンジン)

 

オタネニンジンの根。強壮剤の代表格です。過剰摂取で、身体に副反応が出てくるので注意が必要です。

 

●淫羊藿(インヨウカク)

 

イカリソウの地上部。羊が元気になった事から、この名が付きました。「淫」の名が付くように、精力がビンビンになります。

 

●芍薬(シャクヤク)

 

芍薬の根。非常に美しい花で、園芸用の観賞花としても有名です。当帰芍薬散が有名で、婦人薬の筆頭です。

 

●肉蓯蓉(ニクジュヨウ)

 

ニクジュヨウの肉質茎。消火活動を健常にして、気を高めます。

 

●杜仲(トチュウ)

 

トチュウは一科一属一種の植物分類的にみて、非常に珍しい植物です。樹皮を剥がすと、白銀色の糸を引く特徴があります。

 

●桂皮(ケイヒ)

 

クスノキ科の「ケイ」の樹皮を用います。食用のスパイスでニッキ(シナモン)の事です。精油成分が豊富なので、良い香りがします。健胃薬として用います。

 

●丁子(チョウジ)

 

生薬では「丁香」とも言われています。チョウジのつぼみ。スパイスのクローブの事で、食欲を増進の効果があります。

 

●防風(ボウフウ)

 

ボウフウの根。やせ薬として重用される「防風通聖散」が有名です。お正月のお屠蘇にも配合されます。

 

●反鼻(ハンピ)

 

マムシの皮と内臓を取り除いた身の部分を生成します。古来より、滋養強壮に効果が見込まれています。

 

 

サンプルを頂いたので、服用してみましたが、煎じ漢方薬に慣れている私としては、とても美味しく頂けました。

養命酒は、アルコール度14です。立派なお酒です。

薬酒の市場では、なんと9割を占めているので、もうブレなくても良いのです。

 

良く口臭治療をしていると、飲酒は口臭を悪化させますか?と言う問い合わせを頂戴しますので、口臭専門医になって15年、私なりの見解を披露してみましょう。

 

【飲酒と口臭】

飲酒をすると、アルコール分が肝臓で分解されて、その中でも毒性の強い『アセトアルデヒド』の有害物質と、次に無害な物質『酢酸』に分解され、最終的に水と二酸化炭素になって身体の外に排出されます。

 

肝臓の分解機能は個人差があり、その能力を超えると、アセトアルデヒドが血液中に溶け出し、二日酔いの状態になります。呼気中にも排出されるので、独特の酒臭いニオイが出てきます。

私の様な、完全下戸の体質は、分解能が少ないので、ビールコップ半分で、二日酔い気分になります。でも養命酒は薬種なので、食後にクイッと一杯引っ掛けます。

 

「安い酒です」

 

ここで重要な点は、飲酒してそのまま就寝すると、アルコールは口の中の水分を奪い、寝ている間は唾液の分泌も少なくなるので、口内がカラカラに乾燥してしまいます。すると、口内の口臭発生菌が優位になり、酒臭いニオイとは別に、真正口臭が発生してくるのです。

 

飲酒をする方は、喫煙率も高く、体質的にも実熱証に傾くので、腫れものを作りやすく、歯周病のリスクが高まります。こうした相乗効果によって、真正口臭である硫化水素とメチルメルカプタンの臭い物質が出やすくなってしまうのです。

加えて、アルコールは、歯を支えている歯槽骨周囲に活性酸素を発生させ、さらに歯周病を悪化させてしまいます

 

飲酒により歯周病になった方からは、金魚鉢臭の様な、どぶクサい口臭が出てきます。お酒は、百薬の長とも言われますが、周りの人から口臭を指摘されたら、飲酒を控えて、歯周病のチェックに出向いた方が良さそうです。