段ボールボディの電気自動車

 

欧州車の中でも、とりわけ個性的なメーカーである「シトロエン」から電気自動車のプロトタイプの「OLI」が発表されました。

 

 

もはや、自動車の形をしていません。どっちが前だか後ろだかも定かでないです。

変態チック(誉め言葉)な車作りは、シトロエンの専売特許です。

 

シトロエンはフランス車で、独自の設計思想を持ち、空飛ぶ絨毯の乗り心地とも言われる、ハイドロニューマチックは、あまりにも有名です。

 

でもこの車がユニークなのは、デザインだけではありません。なんと、天井とボンネットは、「段ボール」を用いた樹脂素材なのです。サスティナブル・脱炭素・SDGsなど、とらえ方は何でも良いですが、こうした一見、ぶっ飛んだ取り組みを見ると、日本のメーカーは、まだまだ保守的だと思います。

 

「そんな事やって、だれが責任を取るんだ!」

 

の一言で、面白いアイデアがしぼんでしまうのは、何とも残念です。

 

さて、段ボール素材の自動車…は、シトロエンの専売特許ではありません。

私の生まれた年と同じ1959年に、東ドイツの自動車メーカーから、段ボールで作られた車と噂された「トラバント」が販売されていました。

 

 

それは、組み立て制度がしっかり確立されていない時代の車両なので、ボディのチリの合わせがズレていたり、品質が一定していなかったりした事から来る都市伝説なのですが、実際は、段ボールではなく、「綿素材」に樹脂を含侵させた素材でできており、現代風に解釈すれば「FRPボディ」と言う最先端の取り組みの自動車でした。

 

1958年から1990年代まで、大きなモデルチェンジすることなく製造され、東西ドイツ併合と共にフェードアウトしていきました。

 

つまり、本当に段ボール素材を使ったボディは、シトロエンが世界初の取り組みになった訳です。

 

家具の業界では、既に段ボール素材は、色々な所に活用され、東京オリンピックの選手村のベッドなどにも活用されています。その他、段ボールに樹脂を含侵させた家庭用の椅子なども市場に存在しているので、強度は充分であることが伺えます。

 

恐らく、鉄板やアルミ素材よりも、重さは軽いはずです。車両重量が重くなってしまう電気自動車には、出来るだけ軽い素材が求められます。加えて、軽い凹みであれば、補修も用意である事が想像されます。今後の展開に期待ですね。

 

 

実は、この「紙」と名の付く生薬は、漢方の世界にも存在します。

 

【破胡紙】

オランダビュは、マメ科の一年草で、「破胡紙」は、その成熟した種子を用います。生薬では「補骨脂」とも呼びます。

 

実は、ニラの種です。黒い粒粒が、破胡紙です。

 

 

筋骨の成長・発育を補助する考えから、この名が付きました。

東洋医学では、骨の成長は、五臓の中で「腎」が関係してきます。人の働きが衰えると「腎虚」に傾き、腎陽と気が損耗した時に「腎陽虚」となり、冷えを伴うようになります。

 

その薬効は、新陳代謝を促進させ、身体を温める作用が見込めます。また、腎は性欲や水分代謝との関係も深いので、インポテンツ、足腰の冷え、頻尿、神経痛、関節痛などにも効果が見込めます

 

近年、動脈血管拡張、末梢循環改善、男性ホルモン様作用などにも効果が見込めると考えられています。

 

EV乗りとしては、新しいシトロエンの電気自動車を見過ごす訳にはいきません。もし、日本で発売…となったら、真っ先にディーラーに行って、実車を拝見したいです。