テレビを見ていたら、「エディブルフラワー」の情報番組がありました。
無農薬のバラを栽培し、その花を食用にするのです。
バラの花は、営実(エイジツ)、金桜子(キンオウシ)、郁李仁(イクリニン)、まい瑰花(マイカイカ)といった生薬名で利用されてきました。その効果・効能は、
【香気成分・精油成分】
●1. 3-ジメトキシ-5-メチルベンゼン
鎮静効果、肌荒れ改善、皮膚保護機能、皮膚のターンオーバー促進。
●オイゲニン(タンニン類)
口内炎、滋養強壮、生理不純改善、スキンケアに効果。
●ゲラニオール
抗腫瘍作用の1つとして、腫瘍細胞に対するアポトーシス(細胞死)誘導作用。
●ネロール
細胞回復効果、女性ホルモン分泌促進。
●ファルネソール
皮膚炎やニキビを誘発する黄色ブドウ球菌に対し、抗菌作用を有します。
【機能性成分・栄養成分】
●ビタミンC
壊血病、抗酸化作用、抗がん、かぜ予防、免疫機能増強に効果が見込めます。
生薬には、その他にも、花の部分に薬効を持つものがあります。
【辛夷】(しんい、もくれん)
木蓮も、エディブルフラワーです。辛夷のつぼみは、生薬としても用いられます。実は、モクレンと辛夷(コブシ)は、同じモクレン科モクレン属(マグノリア属)で、樹皮や葉っぱの感じだけでは、殆ど見分けがつきません。そして、モクレンには真っ白な花と、紫色のものがあり、うっすら色味があったらモクレン。これに対し、辛夷は、白い花だけを咲かせます。
ただし、同じ白い花の木蓮とコブシであっても、開花すると見た目が全然異なります。白木蓮は花弁が肉厚で、白木蓮は花弁が9枚。コブシは花弁が6枚である点です。また、白木蓮は上に向いて咲く。コブシは、ダランと垂れ下り、多方向に向いて咲く事で鑑別します。
漢方薬では、辛夷清肺湯に配合されています。
【菊花】(きっか)
中国原産のキク科植物のキクの頭状花を用います。ただ日本漢方では、菊花といえば野菊花(のぎくか)のことを指します。お刺身の添え物として、菊花が使われているのは、解毒作用があるからでしょう。
菊花の成分には、クレサンテミン、アミノ酸、βカロテン、ビタミンB1などが豊富に含まれています。漢方では解表・平肝・明目・清熱解毒の効能があり、頭痛、めまい、目の充血、視力の低下、化膿性の炎症などに用います。
漢方薬では、釣藤散、小菊地黄丸などに配合されています。