近年、ネット上のフリーマーケットとして、「メルカリ」が人気です。本当に、色々なものが出品されています。
例えば、3歳の子供が描いたお母さんの絵が、150円で売られています。
こんなの誰が買うんだろう?と思いますが、チャンとした需要があり、実際に売れているのです。子供が描く絵は、こどもにしか書けません。大人が、どんなに似せて書いたとしても、大人の手が加わったものとしてバレてしまいます。子供の絵にはオリジナリティがあり、付加価値があるのです。買い手が付いたお母さんからのコメントは、「子供も大喜びで、売れた利益を、自分のお小遣いとして、堂々とお菓子を買っています」と言う書き込みが微笑ましいです。
そんな中、色々な商品を見ていたら、少し、気になる商品が出品されていました。
食用の多肉植物である「グラパラリーフ」を、自家栽培して、食用として出品しているのです。
グラパラリーフは、「アグリアシストジャパン」が開発した、登録商標も取得してある、知的財産です。しかも、それを当該会社の許諾なしに栽培して販売すると、
「種苗法」(しゅびょうほう)の法律に接触してしまいます。
種苗法とは、植物の新品種の創作に対する権利保護と、流通種苗の表示等の規制を定めた日本の法律です。
今の所、放置状態ですが、販売会社が出品者に異議を申し立てれば、規制が入るかもしれません。一つ厄介なのは、グラパラリーフと朧月(おぼろつき)と言う多肉植物は、見た目がそっくりで、殆ど見分けがつきません。
グラパラリーフは、食用として流通していますが、朧月は、基本的に観賞用です。
もし、朧月を「似ているから」と言う理由で、出品してしまい、誰かが間違って食べてしまい、何らかの健康被害が出た場合は、間違いなく、社会問題になるでしょう。
グラパラリーフは、過去に自然食レストランで食べた事がありますが、瑞々しくて、程よくシャリシャリした歯応えで、それ自体に殆ど味がありません。
何となく、味のないリンゴ・ブドウの様な風味です。
私は嫌いではないのですが、サッパリとしたドレッシングと合わせると、美味しく頂けそうです。
また、グラパラリーフだけでなく、近年の中国で栽培される生薬の高騰を受けて、日本で生薬を種から栽培し、こっそり販売している業者もあります。もし、何らかの形で、その種子を入手して栽培した際は、
今度は、「種子法」で裁かれる事になります。
特に、育てやすくて、比較的高値で取引されている、当帰(トウキ)、柴胡(サイコ)、甘草(
カンゾウ)、人参(ニンジン)、芍薬(シャクヤク)などは、要注意です。
この先、こうした生薬が出品されるようですと、注意喚起が必要でしょう。
ところで、多肉植物にも立派な生薬があります。
アロエベラです。
アフリカ原産の多年生多肉植物で、60cmほどに生長して、黄色の花を付ける。薬用部位は葉にある透明なゼリー状の部分で、擦り傷や火傷した場所に直接塗布する。また、食用する場合は、蜂蜜をつけてそのまま食べたり、細かく刻んでヨーグルトに混ぜられたりします。
葉の茎部から滲み出てくる黄色い汁は、とろみ成分として有効で、高齢者の緩下を補助します。日本でアロエのイメージは、冬季に赤橙色の花を付ける、キダチアロエが有名です。食用ではないので、安易に食べない方が無難でしょう。