本書は、歯科医師として40数年で10万人以上の患者さんを診てきた知見と、全身の骨格やツボを知る鍼灸師の知見と、30年以上、患者さんの体質を見極め、漢方処方をしてきた知見を総動員して書き上げました。
●メガブス:口内環境の悪化に伴う「スマホ口臭」によるブス化
●ギガブス:スマホ連続使用による、姿勢悪化と健康被害によるブス化
●テラブス:無言・無動・無表情に伴う、老け顔変化によるブス化
を論じています。
その中で、テラブスに関しては、顔立ちに直結する部分なので、皆さん、気になる所のようです。
全身の骨格は、関節の構造を持ち、その両端に筋肉が付着する事で、関節は可動し、走ったり、物を持ったりできます。ところが、表情筋は、関節の構造を持たない筋肉群です。
挙筋などは、片方は骨に起始し、もう片方は、皮膚に定着します。あるいは、
口輪筋のように、骨と付かずに、完全フリーな筋肉として存在しています。
この構造により、言葉をしゃべったり、楽器を吹いたり、豊かな表情を作ったりできる訳です。
● 筋肉は、使わなければ「廃用性萎縮」を起こします。筋肉が痩せれば細くなり、溝を形成し、やがては皺になっていきます。」
● また、筋肉が細くなって、聴力を失えば、スプリングのように吊り下げている挙筋は、緩んで垂れてきます。これによって、ブルドック顔に傾いていきます。
本来の若々しい顔立ちを回復させるためには、筋肉を鍛える必要があります。
スポーツジムのインストラクターは、板チョコボディの腹筋の鍛え方は教えてくれますが、表情筋の鍛え方は、なかなか教えてくれません。
エステサロンのエステティシャンは、皮膚の上から揉み解したり、コロコロローラーを当てたりする施術をします。
歯科医師と鍼灸師の知見から考察すると、全身の筋肉や骨格は、身体の外から刺激を伝えます。だからこそ、鍼灸師は、お灸をすえたり、ハリを深部に打ったりするわけです。
ホントだったら、皮膚をベリッと剥がして、筋肉を露出させて、コリを取りたい所ですが、そんな事は出来るはずもありません。
ところが、
口腔周辺だけは、内側からのアプローチが出来るのです。この構造を利用しない点はありません。それが、私が考案した「アゲアゲ歯ブラシストレッチ」です。
さらに接写にして、解説した動画が以下になります。
この施術は、特殊な器具は使いません。歯ブラシ1本で出来る所が最大の特徴です。
使う部位は、毛羽の方ではなくて、背の方です。
●アゲアゲのやり方
下顎の歯の外側には、歯肉頬移行部と言う、頬の内側の粘膜との間で、「折り返し」の部分があります。懐の部分です。
ココに、歯ブラシの背を潜り込ませ、上方へ向けて擦り上げていくのです。その際、頬の内側の粘膜を歯ブラシの背が滑走する形になります。
そのまま、上顎の歯肉頬移行部にたどり着くのですが、180度歯ブラシをローリングさせて、上顎の歯肉頬移行部にも、歯ブラシの背がはまり込むようにします。ここが、コツになります。
片側、10~20回程度、擦り上げてみましょう。
●歯ブラシストレッチのやり方
次いで、歯ブラシの背を、頬粘膜内側に充てたら、手の力を使って、押し出します。上手く出来ると、外から見た時に、頬が飛び出て見えるはずです。その後、手の力を緩めずに、自分の頬の筋肉の力を使って、グイっと押し戻すのです。
これも、片側10~20回程度、取り組んでみましょう。真剣にやると、かなり筋肉が疲れます。
これを、毎晩就寝前に、歯ブラシ習慣と一緒に取り組むと、2~4週間ほどで、表情筋の筋肉にハリが出てくるはずです。
ハリが出てくれば、筋肉は太くなり、シワは浅くなり、垂れていた筋肉は、もう一度引き締まってきます。
慣れてしまえば、そんなに難しい作業ではありません。是非、生活の中で取り入れてみて下さい。