先日、おまかせ野菜宅配の中に、「なす」と「ズッキーニ」が同梱されて届きました。さて、ズッキーニを、どうやって料理して食卓に出すか?カミさんは思案します。
最近は、料理レシピアプリが有るので、「ズッキーニ」で検索すれば、色々な料理の投稿が出てきます。その中で、「これにしよう」と、カミさんが選んだのが、
「なすとズッキーニのチーズ焼き」です。
早速、「とろけるチーズを買ってきて」と言う、指令が私の元に舞い込み、スーパーへ直行です。そのレシピには、
「セルロース不使用」のチーズを使う事
と言う厄介な指示があったので、近隣:3件のスーパーをハシゴして、ようやく買って帰りました。こちらの商品です。
【セルロースとは】
セルロースは不溶性の食物繊維です。一般的に、穀類や大豆に多く含まれています。植物にとってセルロースは、細胞壁を構成する重要な成分です。
セルロースは、水や油には溶けません。水を含むと、一気に膨張する特性があります。
この事から、セルロース(不溶性食物繊維)を摂取すると、お腹の中で膨れ、膨満感と満腹感が出るので、ダイエットサプリにも使われています。また、便の量が増えるので、便秘改善の効果も期待できます。
セルロースは、精製や粉末化する事で、色々な用途に活用できます。例えば、衣類や化粧品、食品添加物などです。
例えば「セルロース系繊維」は、綿や麻、レーヨン、キュプラなどに含有されています。
その他、木材に含まれるセルロースを、化学的に溶かして繊維状にして、混ぜる事も出来ます
また、セルロースは吸水性が高く、粉末化も出来るので、化粧品や保湿マスクにも活用されています。
さらに、セルロースは「食品添加物」としても利用されています。
特に、とろけるチーズや粉チーズに配合されます。こうした食材は、何もしないと、湿気などでくっ付いてしまうので、調理する時に、ハラハラと使いやすくするために混ぜるのです。
セルロースは、食物繊維なので、人間の体では分解・吸収できず、そのまま体外に便として排出されます。この事から、近年、セルロースを食品添加物として加工された食材の過剰摂取により、健康被害が起きるのではないか?と、指摘されています。
こうした、加工セルロースは、厚生労働省で安全性が確認され、日本においては使用が認められています。動物実験により、体内動態や毒性、発がん性、遺伝毒性など、安全性が確認されています。そこから導き出された知見では、加工セルロースには、体内に吸収されない事から、一日摂取許容量(ADI)を定めていません。
セルロース不使用のチーズを探して買ってくるには、あまり根拠はないのになぁ…と思いつつ、何とか見つけて買って帰ることが出来ました。
そのお陰か、レシピ通りに作った「なすとズッキーニのチーズ焼き」は、すこぶる美味しく、一気に食べてしまいました。我が家の定番メニューの仲間入りです。
【漢方薬とセルロース】
実は、錠剤や顆粒状に生成された漢方薬にも、セルロースは使われています。
全ての医薬品は、薬効を持つ主薬と、医薬品添加物で構成されています。漢方薬も同様で、天然由来の生薬が主役ですが、錠剤や顆粒に成型するために、添加物が必要になります。
この添加物は、主薬の薬効を安定させたり、効果を維持したり、飲み込みやすくする上で、最小限必要なものになります。
しかしながら、医薬品添加物規格で定められた成分の中にも、ごくまれに、アレルギーを招く場合もあるので、効能書をよく確認して、服用する必要があります。
主な添加物と、配合目的は、以下の通りです。
分類 | 医薬品添加剤 | 配合目的 |
---|---|---|
賦形剤(ふけいざい) | 乳糖、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素など | 一定の質量、形状を保つために配合 |
滑沢剤 | ステアリン酸マグネシウム、 タルク | 粉末や顆粒の流動性を改善し、圧縮成形時に滑りを良くし、粉末の付着を防ぐとともに、錠剤表面に光沢を与えるために配合 |
結合剤 | ヒプロメロース、ポビドン、はちみつなど | 錠剤、顆粒剤を製造する場合、成分粒子を相互に結合させるために配合 |
崩壊剤 | カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなど | 製剤が消化管内で崩壊するのを促進させるために配合 |
コーティング剤 | ヒプロメロース、ヒプロメロースフタル酸エステルなど | フィルムコーティング、糖衣などコーティングの材料として配合 |
着色剤 | 三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなど | 製剤の着色のために配合 |