家族とイタリアンレストランへ行くと、ピザを注文するときがありますが、必ず注文するメニューがあります。
それが、「マリナーラ・ピザ」です。
このピザを注文するのは簡単です。どの店でも、ピザのメニュー欄の筆頭に書かれています。なぜなら、具の無いベーシックなピザだからです。当然、料金も最安です。
中身は、ピザ生地、トマトソース、ガーリック、バジルだけのシンプルなピザです。チーズすらトッピングされていません。ある意味、お財布にも優しく、ダイエットピザとも言えます。
このピザは、お寿司屋さんで言えば、「玉子」や「コハダ」に相当します。こうしたネタは、板前さんの腕前を図ることができます。
それが、ピザにおいては、「マリナーラ」なのです。
このお店のピザ生地が、どんな歯ごたえなのか?トマトソースの味付けは?焼き加減の習熟度などが、一発で分かってしまいます。
まず、この「基準ピザ」で、お味を確認してから、次回、来訪の時に、色々トッピングを工夫するのです。
近傍のイタリアレストランの味比べをしたのですが、横浜高島屋、上階のレストラン街に店を構える、「ナプレ」が、一番おいしかったです。
https://napule-pizza.com/yokohama/
これは、言うなれば、漢字表記の「へん」と「つくり」のような位置づけです。
「マリナーラ」が、へんならば、「シーフード」が、つくりの関係になります。
実は、漢方処方も似たような関係があります。
「基準漢方」に、色々な生薬がくっ付いて、別の漢方薬になっていきます。
【六味丸から派生する漢方処方】
漢方薬の一つに、『六味丸』という処方があります。読んで字のごとく、6種類の生薬から構成されています。
補腎剤として用いるので、子供においては、成長発育、老人においては、老化防止の効能を有します。構成生薬は、文字通り6種類です。
●地黄(ジオウ)、
●山茱萸(サンシュユ)、
●山薬(サンヤク)、
〇沢瀉(タクシャ)、
〇茯苓(ブクリョウ)、
〇牡丹皮(ボタンピ)
この処方の特徴は、「三補三瀉」の効能があることです。黒丸が、「補」で、白丸が「瀉」です。三歩進んで二歩下がるではなく、三歩進んで三歩下がるイメージです。
この陰陽のバランスを整えたことにより、胃の負担や瞑眩(副反応)が少ない工夫がなされています。
小児は、生まれ持った「先天の気」が充実しているので、相対的に腎陰や腎精が不足しがちになります。
成長発育に関係してくるので、つかまり立ちから、歩行開始、運動能力、言語の発達、歯の萌出、骨の発育に影響を与えます。
そのほか、成人でみられる、腎陰虚証に由来する「虚熱」が発生するので、皮膚は赤みを帯び、赤ら顔、夕方にかけて体が熱を持ち、手足がほてる。加えて、体が乾燥傾向に傾くので、口喝皮膚乾燥、口唇、口臭が発生してくる。尿量は減少し、水をよく飲み、尿の色が濃くなります。大便もコロコロした兎糞になり、便秘になります。
【六味丸から派生する漢方処方】
●杞菊地黄丸
六味丸に目の疲れ、かすみや充血をとる「枸杞子」・「菊花」を加味して、目の症状を補う処方
●知柏地黄丸 六味丸にほてり、のぼせ、イライラなどの熱をとる「知母」・「黄柏」を加味して、熱症状、イライラ、のぼせが強い時に用いる。
●八味地黄丸
腎陽虚の第一選択。「桂枝」・「附子」を加味して、腰から下が冷えて重だるく、夜間排尿、失禁のある方に使われる。
●牛車腎気丸
八味地黄丸に、さらに、むくみ、しびれをとる「牛膝」・「車前子」を加味して、八味地黄丸の働きをさらにパワーアップした処方。
こうした体系で漢方を見直すと、300種以上ある漢方処方も、覚えやすくなってきます。