息子と車

 

40歳で授かった愚息も、国家試験に合格すれば、もうすぐ社会人年1年生になります。

「通勤に使う車が欲しい」と言う事で、ディラーに試乗に行きました。

「どんな車が欲しいの?」と、聞いた所、

「アバルトが欲しい」と言う事で、早速見に行きます。

 

普段、電気自動車乗りなので、アバルトから発表されたばかりの、「アバルト500e」が欲しいと、言い出すのかと思ったら、

 

「こっちがイイ」と言う事で、

内燃機関の「アバルト695、コンペティチオーネ」を指さしました。

 

オイオイ、ちょっと待てよ、「イタ車」だよ。大丈夫?と言う事で、イタ車を所有する事が、どんなにリスクを伴うか?について、父として説得に当たります。

 

「この車のどこがいいと思うの?」と聞くと、

「そりゃ、音でしょ」と言う事で、以下の動画にたどり着きます。

 

 

この音の事を、「レコード モンツァ」(通称:レコモン)と言います。レーシングカーみたいな爆音です。普段、電気自動車にばかり乗っている私としては、やかましいくらい不快な音です。

 

例えば、早朝、自宅から車を出して出発する時は、近隣住民に、迷惑が掛からないか?少々心配になるくらいの騒音です。

 

なぜ、爆音が出るのか?というと、左右・二本出しのマフラーの、両端1本ずつが「直管マフラー」になっているからです。

直管マフラーとは、レース車両に使われているマフラーで、排気管途中に消音器が殆ど付いていない、排気効率を最優先するための構造です。エンジンから出口まで、ストレートなので、爆音が出てしまうのです。アバルトは、電子制御で、そのバルブの開閉をする機構もついています。高速道路の特にトンネルなどで、このバルブを開くと、一部のマニアが、官能的と称する音を奏でる事となります。アクセル開度により、パイプオルガンの様な重低音から、甲高い爆発音まで、周囲に鳴り響きます。直管マフラーは、改造車であれば、当然、車検は通りません。

 

さらに、アバルト695は、わざと、未燃焼なガスを、直管マフラーに流す仕様にもなっているようです。もしかしたら、夜、暗い所で吹かしてみると、マフラーの中で高温になって自然着火したガスが、青白い炎となって、視認できるかもしれません。

 

本当にこれで車検が通るの?というレベルですが、メーカーが純正で組付けているので、問題は無いのでしょう。自分は、気持ちいいかもしれませんが、周りの車は、大迷惑である事も忘れないで欲しいです。

 

でも、何を隠そう、今から40年前のドラ息子だった時代、実は私も、「チューニング小僧」だったので、息子の気持ちは、良ーくわかります。

 

「もう一度、考え直して、奥に見える、黄色い方の電気自動車にしない?」と言っても、聞く耳を持ちません。

 

 

40年以上の車歴の私が行きついた、人生、上がりの車が、「電気自動車」で、1周回って、我が息子が、コテコテのガソリンエンジンを欲しがる現状。何故、父が、電気自動車が最終回答になったのか?お前も、やがて分かる時が来るさ!

 

息子のこれからの人生に、乾杯