ディープラーニングを基本とした、「AI」の社会への導入が、急速に進んでいます。2024年になって、とうとう、「香り」「ニオイ」「匂い」「臭い」の分野にも、AIが入り込んでくる事となりました。
【画像から香りを作る】
こちらのプレスリリースによると、画像を認識させ、その画像から生み出される、「ニオイのレシピ」を、AIが考えることが出来るようになるみたいです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000038832.html
ピザの画像をAIに見せれば、調合すべき香料の割合を示唆してくれるのです。
この技術が行き着く先の未来は、真っ先にバーチャルリアリティーとの融合が考えられます。
ヘッドセットを付けたプレーヤーが、視聴している動画にピッタリ合った、香りがプーンと臭ってきたら、臨場感ハンパないです。
●ゾンビを倒すゲームの最中に、血しぶきの臭いが立ち込めてきたとしたら…
●アバター女史とデートする動画で、彼女からコロンの臭いが、ふんわりしてきたら…
もう、正気を保つことは出来ないと思います。
そんな、拡張現実の世界が、もうすぐそこまで来ているのです。
【漢方処方とAI】
それならば、患者さんの問診事項や、舌・脈所見をAIに覚え込ませれば、正しい弁証論治をしてくれて、適切な漢方薬を選んでくれそうですが、現在の所、色々なメーカーが試みていますが、ズバリ、これだ!と言う物は、なかなか市場に出ていません。
まだ、補佐役の役回りです。
ただ、AIの進歩は、月単位で賢くなっています。人間にとって代わるのも、時間の問題と言えそうです。
加えて、生薬の種類を、AIに覚え込ませて、
「新しい漢方処方を考えて」とお願いした場合、なかなか、後世に残る名処方を回答してくれるところまで到達していません。
何故かと言うと、漢方薬の薬効には、まだまだ分からない部分が多いからです。
例えば、風邪の引き初めに有効な「葛根湯」は、以下の7種類の生薬から構成されています。葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)
それぞれの生薬の有効成分は分かっています。
ただ、これらが合わさった後の化学反応による新たな変化や、相互・拮抗作用で、実際に何が起きているのか?については、まだまだ不明の点も多く、西洋薬のように、化学構造式だけでズバッと納得できる仕組みになっていないのです。
将棋の最善手を考えるAIは、それぞれの駒の明確な動きがあり、それを逸脱する動きは想定していません。その為に、ヒトよりも賢く、何手先までの勝ち筋を見抜く事が出来るのです。
もし盤面で、飛車と歩が、一つのマスに重なった状態になった時に、AIは、エラー表示をするでしょう。その位、生薬の成分が合わさると、複雑怪奇なミックスが起きているのです。
いつの日か、複数の生薬が合わさり、その後に起きるであろう化学変化まで想定し、最適解を導き出せるAIの登場を願っています。
私だけができる名人芸…は、もうすぐ過去のものになりそうです。