漢方薬の副作用:偽アルデステロン症を経験してしまう

 

4月某日、チョット風邪を引いたかな?という感じで、以前にもご紹介した「葛根湯」を服用しました。一般的には、1日7.5gを、3等分して、1回2.5gを、1日3回、毎食前に服用します。

 

ただ、今回は、チョット切れ味を高めてみよう…との思いで、通常の倍量の、1日6包を服用してみました。

 

すると、私の身体に大きな変化が起きてしまいました。

●指先はむくみ

●尿の出が極端に悪くなり

●倦怠感が出てきました。

 

漢方薬の添付文書には、「偽アルデステロン症」に注意…と喚起されています。

これが、噂に聞く、偽アルデステロン症なのかと、身をもって体験しました。

 

患者さんには、「普段から用法・用量を守りましょうね」と、説明しているにも拘らず、自分で、やらかしてしまった訳です。

 

【偽アルデステロン症とは】

偽アルドステロン症は、血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにもかかわらず、高血圧、むくみ、低カリウムなどの症状が現れる状態です。

特に生薬の「甘草」(カンゾウ)に含まれる「グリチルリチン」の成分により、血圧上昇、全身倦怠、筋力低下、浮腫、筋肉の引きつり、つっぱりなどを発症します。その中でも、特に低カリウム血症になると、ミオパシーの症状が出てきます。ミオパシーとは、筋肉が委縮して脱力し、筋肉がこわばってきます。重症化すると、起き上がることが出来ない、転倒、痙攣などが起きる症状です。

 

葛根湯は、1日量として、2.0gの甘草が含まれています。それを、倍量服用したので、4.0g換算が、身体の中に入った勘定になります。

 

ただ、芍薬甘草湯などは、1日量:6.0g含有しているので、倍量を服用したとしても、まだ大丈夫かな?と、呑気にしていたのですが、身体の反応が出てしまいました。

 

高齢者ほど、男女比では女性ほど、偽アルデステロン症になりやすいので、わが身の老化を実感した次第です。

 

幸い、血尿が出るところまで重症化する事は無く、服用を中断したら、早期に元の状態に戻ったので、大事には至らなかったのですが、生兵法は危険だと、身を持って実感しました。