木梨憲武さんの本を読む

 

通販サイトのポイントが余っていたので、電子書籍で、木梨憲武著『みなさんのおかげです』を読んでみました。

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昭和から平成にかけて、テレビのコンプライアンスが、まだそんなに、うるさくなかった頃は、テレビ業界は、何でもありの状態でした。

 

芸人さんが、相方の頭をハリセンで叩いても、「虐待だ!○○ハラだ!」などと指摘される事はありませんでした。

 

そして、アドリブやハプニング、イケイケな進行でも、それが「面白い」と受け取られる素養がありました。

とんねるずは、そんな時代にマッチして、瞬く間に、メジャーになっていきました。

 

ところで、木梨さんは、自分たちの事を「芸人」と括られる事に違和感を持っています。自分たちには、大衆から認められるような「芸」を持っていませんから…と、言い放ちます。

それでは、何が適当か?というと、「お笑い」が一番しっくりくる…と、自己評価しています。

 

学級クラスや部室や合コンで、面白いヤツが、そのままテレビに出て来た感じです。

 

もう一人の相方の石橋貴明さんとの逸話で、こんな事が残っています。

まだ、デビュー直後で、認知度が低かった時に、飲み屋のステージでお笑い芸をしていました。ステージを引き払う時に、酔っ払いがチップとして、ジャラ銭を壇上にばらまきます。

 

自分たちの次には、バンド演奏が控えており、ジャラ銭を踏んだ時に、演者が滑って転ぶことを危惧した木梨さんは、その小銭を拾い集めます。板の間の間に挟まったコインも、丁寧に引き出し、それ自体を「道化」に代えて、観客から笑いを引き出します。

 

それを見ていた石橋さんは、

「木梨、そんなだせぇー事はやめろ!いくぞ!」と、促します。

木梨さんは、それを受けて、

「でも~、もうチョットだから」「待っておくれよ~」などと、即興の笑いネタにしてしまいます。

 

木梨さんは、本書の中で、石橋さんの事を「石橋キャプテン」と、呼称しています。

「私は、石橋キャプテンの言うがままに、後を付いてきただけですから」と言う立ち位置です。

 

気位の高い「石橋」と、道化の「木梨」と言った感じでしょうか?

石橋キャプテンの持ってきた企画なら、黙ってついていくよ…と言うスタンスです。

 

 どちらのキャラクターも、私は大好きです。

 

テレビから消えた二人は、もう一度原点に戻り、「お笑いライブ」で、復活を考えているようです。

もちろん、バーのステージではなく、武道館公演を考えています。

とんねるずは、2人でも幾つかのヒット曲を持っていますし、スタッフを交えた「野猿」と言うグループでの活動もしていました。こうした、歌と踊りとお笑いがミックスした、とんねるずでしかできないステージを期待しています。

 

ちなみに、私たち夫婦は、石橋がカミさんで、木梨が私…と言う立ち位置です。